
リフォームと建て替えのどちらがおすすめ?

両親は孫の顔を毎日見れると大喜びで、妻も子供の面倒をみてもらえるし、好きな仕事も続けられると同居に賛成してくれました。
聞きたいことは、古い実家はリフォームした方がよいのか、それとも建て替えした方がよいのかということです。
今のままでも住めないことはないのですが、キッチンもお風呂も一つしかないなど様々な理由でプライバシーを確保できません。完全な二世帯住宅でなくてもいいのですが、最低限のプライバシーは守れるような間取りにしたと思っています。
リフォームと建て替えのどちらがおすすめなのか、判断するポイントがあれば教えてください。あと、費用面や工期、建物の寿命、工事の制限など、リフォームと建て替えにどのような違いがあるかも知りたいので、ご回答お待ちしております。

築年数が目安になります
ご実家の築年数が30年程度かそれ以下なら、リフォームがおすすめです。築30年の建物なら、内装や水回り中心のフルリフォームで対応可能です。
築30年程度の建物は、構造部分の劣化が少なく、建て替えとなると解体や廃材処分にかかる工事費がかさんでしまうので、建て替えはおすすめできません。
築40年になるなら、建物の状態によってリフォームか建て替えかの判断が変わってきます。
しっかりメンテナンスをしてきた建物なら状態がまだ良い可能性が高いですが、そうでなければかなり劣化が進んでいる可能性が高いです。
状態が良くて残せるところが多い建物ならリフォームで費用を安く抑えられますが、そうでなければ建て替えするのと変わらないくらい費用がかかってしまいます。
築40年の建物なら、基礎や柱などの躯体のみを残すスケルトンリフォームという選択肢も視野に入れるといいです。築40年でも、躯体がしっかりしていれば、耐震工事をすることで安心して住み続けられます。
築50年程度経つ建物なら、建て替えがおすすめです。構造躯体の状態が良好であるなら、スケルトンリフォームを選択することも可能です。築50年だと、リフォームで対応できたとしても建て替えするのとあまり費用面で差が生じなくなる可能性が高いです。
築年数別にリフォームか建て替えのどちらが適しているかを紹介しましたが、築年数はあくまで基準であり、どちらが良いかを確実に断定できるものではありません。
最終的な判断を下すには建物の状態の正確な確認が必要で、判断を誤ってしまうと建物の損傷や倒壊にもつながってしまいます。建物の状態は素人が判断するのではなく、住宅診断士などのプロに確認してもらいましょう。
リフォームと建て替えにかかる費用については、基本的にはリフォームを選択した方が安く抑えられます。
建て替えでは、前述したように解体工事が必要になり、廃材の処分費用もかかるため、どうしても費用が割増になってしまいます。さらに、建て替えだと新築同様の手続きが必要になり、税金や登記費用など諸費用も発生してしまいます。固定資産税や不動産取得税など各種税金もかかります。
ただし、家の状態によってはリフォームで劣化部分を一つひとつ修復するよりも、建て替えた方が手間は少なく済むなどで、費用を抑えられる場合があることも覚えておきましょう。
工事にかかる期間も、建て替えよりもリフォームの方が短いです。リフォームだと、どんなに長くても半年以内には工事が完了します。建て替えとなると、半年以上工事が行われることが多く、建て替えだと仮住まいも必要になるため、その分の費用もかかってしまいます。
建物の寿命については、当然ですが新しく建築する建て替えの方が長くなるといえます。
基礎以外を解体して一から作り直すリフォームを行った場合、築30〜40年の建物の寿命はあと30〜40年が目安となります。
一方建て替えした場合は、工事の完了後も定期的なメンテナンスを行うことにより、60〜70年が寿命の目安となりますし、最近では100年長持ちする100年住宅も注目されています。
工事にかかる制限については、リフォームでも建て替えでもかかることがあります。
リフォームの場合は、建物の構造などによって希望する間取りにできなかったり、変更できない部分も多くなったりします。また、建物や基礎の劣化が激しい場合は、リフォーム自体ができないケースもあります。
無理にリフォーム工事に踏み切ると、建物が倒壊してしまう恐れもあります。そうなると、命を落とすことにもなりかねません。
古い建物の場合は、建築基準法の改正に伴い建て替えができなかったり、敷地面積を小さくしなければならなかったりする場合もあります。