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Q

リフォームと建て替えの判断基準とは

質問 父が亡きあと横浜の実家はしばらく空き家になっていましたが、いろいろ悩んだ結果家族で実家に暮らすことにしました。
実家が古いこともあって、当初はそこを売って横浜市内でタワーマンションを購入する計画でしたが、立地など条件に合う物件はかなりの予算オーバーになるものばかりで時間がどんどん過ぎていきました。
実家は駅からは少し歩きますが、それでも走れば10分以内の距離で、子供たちの学校からも近いので、妻ともよく相談して実家に住むのが一番良いという結論に達しました。
とは言え今のままの状態では快適に暮らしことはできないし、水回りを中心に新しくしないと使用できない設備もあるのでリフォームすることにしました。しかし、改めて実家を訪れて家の中の状態を確認すると、長く空き家にしていたからか、思っていたよりも状態が良くなくて、建て替えした方が良いのでは?という考えも浮かびました。
そこで質問なのですが、リフォームと建て替えのどちらを選択すべきかについての判断基準を教えて欲しいです。

yajirusi

A

リフォームか建て替えかは築年数でも判断できます

まず、住宅は築年数から建て替えかリフォームかの判断を行うことができます。家を建ててから40年以上経っている場合は、耐震に問題がある場合が多いです。
地震大国である日本では、大規模な地震の被害を受ける度に建築基準法が改正されてきました。耐震に関する改正では、1981年に施行された新耐震設計基準と、2000年施行の2000年基準があります。
築40年以上の家は新耐震設計基準よりも前の基準である旧耐震基準で建てられているため、震度5強程度の地震でも建物が倒壊してしまう恐れがあります。実際に、旧耐震基準で建築された多くの住宅が大地震の被害に逢い、多くの人の命が奪われているという現実があるのです。
リフォームでも耐震基準の問題を解決することは可能ですが、基礎に関する問題はフルリフォームでも基本的には解決できないため、建て替えを選択することをおすすめします。
築40年未満で1981年以降に建築された住宅は、新耐震基準が採用されていることが多いですが、それでも現行の建築基準法からすれば十分な耐震強度があるとは言えません。実際に、1981年から2000年までに建てられた多くの住宅が大地震の被害を受けていて、その中の1割は倒壊しています。
したがって、これに当てはまる場合は、専門家に依頼して耐震診断や住宅診断をしてもらい、建て替えかリフォームのどちらが良いか判断してもらうことを推奨します。
耐震問題に関すること以外にも、リフォームか建て替えかを判断するポイントはいくつかあります。その1つに法律による制限が挙げられます。
建築に関する法律には、建築基準法の他にも、都市計画法、消防法、建設業法、建築士法、宅建兵法、長期優良住宅法、下水道法など名前を聞いたことがないようなものもいくつもあり、これらの詳細をきちんと理解している人はほぼいないと思います。
基本的な建築基準法だけでも家を建てるためにいろいろな制限が設けられていて、建て替えでもっとも注意すべき点が接道義務です。
これは、都市計画区域内で建物を建てるときに原則として建築基準法で定められた幅員4m以上の道路に2m以上接した土地でなければならないという1950年に定められた規定です。そのため、それ以前に建築された住宅では、規定に反していることもあり、接道義務を満たすことができない場合は建て替えをしたくてもできないということになります。
建て替えに関しては家が建っている地盤も重要なポイントです。現在では家を建てるときに地盤調査をすることが法律によって義務化されていますが、2000年の建築基準法改正以前は地盤調査が任意で行われていました。リフォームでは地盤の問題を解決できないため、地盤に問題がある場合は建て替えで対応するしかありません。
もちろん、費用面もリフォームか建て替えかの大きな判断基準となります。リフォームであれば、手の込んだ工事でも数百万円で希望通りに仕上げることができますが、建て替えとなるとそうはいきません。
また、間取りの変更にしやすさもリフォームか建て替えかの大きな判断基準になります。リフォームの場合はどうしても建物の躯体の変更ができない場合があるため、希望する間取にするためには建て替えを選択するしかなくなります。
リフォームと建て替えでは、工期に大きな差が出ます。リフォームであれば1〜3カ月程度でも大掛かりな工事でも対応できますが、建て替えになると最低でも3カ月はかかってしまいます。住み始めるまでに期限が設けられているという場合は、必然的にリフォームを選択するしかなくなります。
いずれにしても自身でリフォームか建て替えか判断しにくい場合は、専門家に相談して住宅診断などを行うことをおすすめします。

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